転職×ビザのケーススタディ
在留資格の種類により手続きは異なります。入管の最新運用は必ず公式情報で確認してください。
技術・人文知識・国際業務:入社日2ヶ月遅延
内定後、会社が在留資格変更を申請。審査に8週間。入社日を当初予定から2ヶ月後ろに変更。
期間中は前職を退職済みで、在留期限内の滞在は継続。就労は新会社では不可のため、貯蓄で生活。
許可後、入社初日に在留カードの更新手続きを完了。
高度専門職:転職でポイント再計算
転職先の年収・研究実績でポイントが変動。永住申請を1年後に予定していたが、転職後に再シミュレーション。
新会社の人事が行政書士と連携し、ポイント表を再提出。配偶者の就労も継続可能だった。
永住者:転職後14日以内の就労届出
永住者としてIT企業AからBへ転職。入社後10日目に就労届出を提出。
届出不要と誤解していた同僚の例があり、会社の人事研修資料で確認した。
転職エージェントが、永住者向けのチェックリストを提供してくれた。
特定技能から正社員雇用への切替
同じグループ内で特定技能から技術・人文知識・国際業務への変更許可を申請。
日本語能力・技能試験の要件を満たしていることを書類で説明し、3ヶ月で許可。
転職ではなく社内切替だが、雇用主変更と同様の慎重さが必要だった。
転職と在留資格:基本ルール
在留資格は「活動内容」と「所属機関(雇用主)」がセットで認められています。別の会社で同じ職種でも働くには、原則として新雇主での許可が必要です。
在留期限が切れる前に申請し、結果が出るまで(場合により)新会社での業務開始が制限される点に注意してください。
- ✓在留資格変更許可:資格の種類を変えるとき(例:留学から就労へ)
- ✓在留期間更新許可:同じ資格で期間を延長するとき
- ✓就労資格証明書:資格に就労可能範囲が記載された証明
- ✓入管庁への申請:本人または会社経由で提出
内定〜入社までの典型的な流れ
①内定・雇用契約の締結、②新会社が在留資格変更(または更新)の申請書類を準備、③入管へ申請、④審査・結果通知、⑤新会社で就労開始、という順序が一般的です。
審査期間は案件により数週間〜数ヶ月かかることがあり、入社日は許可見込みに合わせて調整します。
入社前に新会社で働いてよいか
許可前に新雇主の業務に従事することは、在留資格の範囲外となり法違反になる恐れがあります。
「内定後インターン」「入社前研修」も、無報酬・内容・時間によっては慎重な設計が必要です。新会社の人事・入管専門家に必ず確認してください。
退職後・許可前の在留期間
前職を退職しても、在留カードの在留期限までは合法的に日本に滞在できる場合がありますが、就労は原則として前職の範囲を超えられません。
無職期間が長いと、次の許可審査で説明が求められることがあります。転職活動中も在留期限の管理を怠らないでください。
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在留資格の種類別:転職で変わるポイント
最も多い就労ビザの一つが「技術・人文知識・国際業務」です。学歴・職歴と職務内容の関連性が審査の中心になります。
高度専門職、特定技能、技能、経営・管理などは、それぞれ要件と転職手続きが異なります。
技術・人文知識・国際業務
大学卒以上(または同等の実務経験)と、日本語能力・専門性が問われます。転職先の職務が前職と大きく異なる場合、関連性の説明資料が必要になることがあります。
年収・勤務時間・雇用形態(正社員・契約)も審査材料です。
高度専門職
ポイント制で認定され、一定の優遇(在留期間、永住への道など)があります。転職時はポイントの再計算が必要になる場合があります。
配偶者の就労、永住申請のタイミングにも影響するため、転職前にスコア変動をシミュレーションしましょう。
特定技能・技能実習からの移行
特定技能は業種・レベルごとに試験・日本語要件があります。転職は同じ分野内がスムーズで、分野変更は新たな試験・要件が必要になることがあります。
技能実習から他資格への変更は、制度上のルートを確認してから計画してください。
会社側の手続きと転職者が準備すること
在留申請は、多くの場合、新会社の人事・総務または行政書士・弁護士が代行します。転職者は書類の迅速な提出と事実関係の説明が役割です。
新会社に依頼する書類・情報
雇用契約書、会社概要、職務内容説明書、卒業証明書、前職の離職証明、給与証明、在留カード・パスポート写し、住民票などが典型的です。
学歴・職歴に不整合があると審査が長引くため、履歴書と同じ内容で統一します。
前職の退職手続き
離職票(雇用保険)、源泉徴収票、退職証明は転職後の手続きでも必要です。
前職の人事に、在留申請用の書類発行に要する日数を早めに伝えましょう。
内定辞退・入社日変更の影響
許可申請後に内定を辞退すると、会社・入管双方に迷惑がかかり、次回の審査に影響する可能性があります。
入社日を遅らせる場合は、在留期限と申請タイミングを人事と再調整します。
永住者・定住者・日本人配偶者等の転職
就労制限のない在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者など)は、転職のたびに入管への「届出」が必要な場合があります。
資格ごとに就労届出の要否・期限が異なるため、在留カードの記載を確認してください。
就労届出が必要なケース
永住者などは、転職後14日以内に就労届出をする必要があります(詳細は入管庁の案内を参照)。
届出漏れはペナルティの対象となり得るため、入社初日に人事へ確認します。
永住申請を検討中の人の転職
永住許可の審査では、安定した収入・納税・在留歴が見られます。転職直後は試用期間や収入変動があり、永住申請のタイミングをずらす判断もあります。
永住取得が近い場合は、転職の時期を入管専門家と相談する価値があります。
在留資格別の実務Q&A
転職時に多い質問を、資格の観点で整理します。個別案件では入管専門家への確認が必須です。
技術・人文知識・国際業務で職種変更する場合
前職がエンジニア、転職先がマーケティングなど、職種の関連性が薄いと、在留資格変更の審査で説明資料が求められます。
大学専攻・論文・前職の業務内容を、新職種と結びつけるカバーレターを会社と一緒に作成することがあります。
関連性が認められない場合は、資格変更ではなく、別ルート(再留学等)を検討するケースもあります。
配偶者・子どもの在留
本人の就労ビザ変更と同時に、家族の在留期間更新が必要になることがあります。
配偶者が「留学」から「家族滞在」へ、子どもの就学との整合を、入社前に新会社人事へ共有します。
家族の在留期限が本人より短い場合は、先に家族の更新を済ませる計画が必要です。
派遣・契約から正社員への切替
同じグループ内の社員登用でも、雇用主が変われば在留上の手続きが発生します。
派遣期間中の業務内容が、在留資格の範囲内かも確認します。
正社員内定後は、契約開始日と資格取得日を人事がセットで設計します。
- ●在留カードの有効期限を確認
- ●パスポートの有効期限を確認
- ●前職の離職日と新職の入社日の案を複数用意
- ●家族分の書類も同時に準備
転職活動・面接での注意とチェックリスト
書類選考の段階で「ビザサポート可否」を確認すると、内定後のトラブルを防げます。日本語での面接・契約書の理解も実務上重要です。
求人・面接で確認すべき質問
「外国人採用実績はあるか」「在留申請は社内担当か外部士業か」「入社希望日から許可までの平均期間は」「試用期間中の在留はどう扱うか」。
回答が曖昧な会社は、内定後に入社日が何度もずれるリスクがあります。
- ●ビザサポートの有無と費用負担
- ●申請代行の担当者連絡先
- ●入社日の柔軟調整可否
- ●職務内容と在留資格の整合
- ●家族の在留(配偶者・子)への影響
転職エージェントの活用
外国人採用に慣れたエージェントは、ビザ対応可能企業を紹介し、入社日と入管スケジュールの調整を仲介してくれます。
英語求人中心のポジションでも、在留手続きは日本語書類が中心のため、翻訳・説明のサポートがあるか確認しましょう。
トラブル時の相談先
入管庁の相談窓口、自治体の外国人相談、弁護士・行政書士の初回相談を活用します。
在留期限切れ間近での無職状態は特にリスクが高いため、早めの専門家相談を推奨します。
外国人採用に強い企業の見分け方とエージェント活用
転職エージェントには、外国人採用実績のある企業リストを持つコンサルタントがいます。登録時に「在留資格○○で転職」「ビザサポート必須」と明記してください。
doda・リクルート・マイナビは、国内大手の外国人採用枠を扱うことが多く、Bizreachは外資・グローバル本社の日本法人案件でビザ支援が整っている傾向があります。
面接で「過去1年の外国人採用人数」「在留申請の社内担当(人事か外部士業か)」を質問することは、正当な確認です。回答が曖昧な企業は、入社日遅延リスクが高いと判断してよいでしょう。
内定後の書類チェックリスト(本人側)
パスポート・在留カード・住民票・卒業証明・雇用契約書案を、提出期限までに揃えます。
職務内容が在留資格の範囲と整合しているか、雇用契約書の職種名・業務内容を自分でも読みます。
家族分の書類がある場合は、配偶者・子の在留期限も一覧表にまとめ、期限切れが先に来ないよう順序を管理します。
まとめ:就労ビザ手続きと転職スケジュールを一体で動かす
就労ビザでの転職は、内定の喜びと同時に、入管手続きのスケジュール管理が必須です。
許可前の就業禁止、在留期限、家族の在留、永住申請のタイミングを、新会社人事とセットで確認してください。
外国人採用に慣れた企業を選ぶこと自体が、入社日遅延リスクを下げる有効な手段です。
入管庁の公式案内と会社人事の説明が異なる場合は、書面(メール)で会社見解を確認し、必要なら行政書士・弁護士に個別相談してください。転職エージェントは日程調整の仲介役として活用し、自分は書類提出期限の管理に集中するのが効率的です。
エージェント・企業への確認テンプレート
「貴社では在留資格変更の申請を入社前に行いますか。平均的な審査期間は何週間ですか。試用期間中も就労可能ですか」とメールで質問し、回答を保存します。
エージェントにはビザ対応可否を最優先条件として伝えると、非対応企業の紹介を減らせます。
内定辞退を避けるため、第一志望の許可見込みが立ってから他社を辞退する順序も検討します。
入管手続き中の生活設計
審査中は前職を退職し、無職期間が長くなると次の審査説明が必要になる場合があります。
貯蓄・配偶者収入・短期アルバイト(資格の範囲内)など、生活費のバッファを2〜3ヶ月分確保してから退職すると安心です。
在留カードの更新・住所変更は、転居と同時に行い、届出漏れを防ぎます。
入管手続きの遅延時の生活費計画
審査が長引く場合、貯蓄・配偶者収入・短期アルバイト(在留資格の範囲内)で生活費を確保します。
エージェントに状況を共有し、入社日の再調整や、代替オファーの検討も選択肢に入れます。
在留期限が近い場合は、入管庁への相談予約を早めに取り、期限切れオーバーステイを避けます。
在留資格変更の書類遅延:入社日再調整の交渉文例
入管庁の審査は数週間〜数ヶ月かかることがあります。内定直後に人事・法務へ「許可見込みに合わせ入社日を調整したい」と伝え、生活費の見込みも含めてスケジュールを共有します。
許可前の新会社での就労は原則不可です。在留期限内の滞在は可能でも、給与は発生しません。貯蓄計画を事前に立ててください。
外国人採用に慣れた企業の見分け
過去の在留資格変更実績、行政書士との連携、入社前オリエンテーションの英語資料の有無を逆質問します。エージェントに「ビザサポート必須」を登録条件に含めます。