失業保険(雇用保険の基本手当)とは?
失業保険とは、雇用保険に加入していた労働者が離職した際に、次の仕事が見つかるまでの生活を支援するために給付される手当です。正式には「雇用保険の基本手当」と言います。
給付を受けるには「失業の状態にあること(働く意志と能力があるにもかかわらず就職できない状態)」「ハローワークで求職申し込みをしていること」などの要件を満たす必要があります。単に退職しただけで自動的に振り込まれるわけではなく、ハローワークへの申請が必要です。
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失業保険を受け取るための受給条件
失業保険を受給するためには、以下の条件を満たす必要があります。
条件①:雇用保険の被保険者期間
退職前の2年間に、雇用保険の被保険者として12ヶ月以上(会社都合退職の場合は6ヶ月以上)の加入期間が必要です。アルバイトや派遣社員でも、週20時間以上勤務で雇用保険に加入していれば対象になります。
- ●自己都合退職:退職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上
- ●会社都合退職(解雇・倒産など):退職前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上
- ●週20時間未満の勤務や雇用保険未加入の場合は対象外
条件②:失業状態にあること
「就職しようとする積極的な意思があり、かつ、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない状態」が失業の定義です。
転職活動をしていない(積極的な求職活動をしていない)場合は給付対象外になります。また、アルバイトなどで一定の収入を得ている場合も減額・停止になる場合があります。
条件③:ハローワークへの申請
失業保険を受給するには、居住地を管轄するハローワークに「求職の申し込み」をする必要があります。申し込み後に「受給資格の決定」が行われ、その後「失業認定」を経て給付が開始されます。
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失業保険の給付額の計算方法
失業保険の1日あたりの給付額(基本手当日額)は、退職前6ヶ月間の賃金をもとに計算されます。
基本手当日額の計算式
【賃金日額】=退職前6ヶ月間の賃金合計÷180
【基本手当日額】=賃金日額×給付率(45〜80%)
給付率は賃金日額が低いほど高く(最大80%)、高いほど低く(最低45%)設定されています。2026年現在、基本手当日額の上限は年齢によって異なります(30歳未満:7,320円、45歳未満:8,130円、60歳未満:8,490円、64歳以下:7,294円)。
給付額のシミュレーション例
【例】月給30万円の場合:賃金日額=30万円×6ヶ月÷180=10,000円。基本手当日額=10,000円×50%(給付率)=5,000円/日。1ヶ月(30日)で約15万円の受給となります。
賞与・残業代は計算に含まれないため、残業が多い方は実際の計算に注意が必要です。
失業保険の給付期間(所定給付日数)
失業保険の受給期間は退職理由と雇用保険の加入期間によって異なります。
自己都合退職の給付期間
自己都合退職の場合、ハローワーク申し込み後2ヶ月の給付制限期間(待期7日+給付制限2ヶ月)があります。この間は給付が受けられません。
※2023年法改正により、一定の条件を満たす場合は給付制限が2ヶ月から1ヶ月に短縮されています(ハローワークで確認要)。
- ●雇用保険加入期間1年未満:90日
- ●加入期間1〜5年未満:90日
- ●加入期間5〜10年未満:120日
- ●加入期間10〜20年未満:150日
- ●加入期間20年以上:150日
会社都合退職(解雇・倒産)の給付期間
会社都合退職(解雇・倒産・雇い止めなど)の場合は、給付制限がなく申し込み後7日間の待期期間を経てすぐに給付が始まります。また給付日数も自己都合より長くなります。
年齢・雇用保険加入期間によって90〜330日の範囲で給付されます。会社都合の場合は必ず「特定受給資格者」として手続きを行いましょう。
転職活動中の失業保険の活用方法
転職活動中に失業保険を最大限活用するための重要なポイントを解説します。
4週間ごとの「失業認定」を忘れずに
失業保険は4週間に1回、ハローワークで「失業認定日」に認定を受けることで給付されます。認定日に求職活動の実績が2回以上必要です(活動実績:ハローワークへの求職申し込み・求人への応募・セミナー参加・エージェント相談など)。
転職エージェントへの相談やセミナー参加も「求職活動の実績」として認められます。転職エージェントを使うことで失業認定の実績作りにもなり、一石二鳥です。
内定・就職が決まったら「再就職手当」を申請
失業保険の受給期間中に就職・内定が決まった場合、残りの給付日数に応じて「再就職手当」が支給されます。早期に再就職するほど多く受け取れるため、転職活動を早期に成功させるインセンティブになっています。
再就職手当の支給額=基本手当日額×残余給付日数×給付率(60〜70%)です。給付日数が3分の1以上残っている場合は60%、3分の2以上残っている場合は70%が支給されます。
在職中に転職活動するか、退職してから活動するか
失業保険を活用できるのは退職後のみです。在職中の転職活動では失業保険はもらえません。ただし在職中のほうが「採用されやすい」というデータもあります。
転職エージェントを活用すれば在職中でも効率的に転職活動ができます。焦りなく転職先を選べる在職中転職が、収入の安定・採用条件の良さの両面でメリットがあることも知っておきましょう。
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ハタラクティブを無料で確認する失業保険と転職エージェントを組み合わせた最適戦略
退職後に失業保険を受給しながら転職活動をする場合、転職エージェントとの組み合わせが最も効果的です。
- ✓失業保険の給付制限期間(2ヶ月)中に集中的に書類作成・面接対策を行う
- ✓転職エージェントへの相談で失業認定の求職活動実績を積む
- ✓エージェントの求人紹介で応募実績を作りながら、質の高い転職先を探す
- ✓再就職手当を最大化するために、給付期間の3分の2以上残っているうちに内定を取る
- ✓複数エージェントに登録して求人の選択肢を広げ、早期内定を狙う
再就職手当:早く決まった人がもらえる「お祝い金」を取りこぼさない
失業保険は「もらい切る」より「早く再就職して再就職手当をもらう」ほうが得になる設計です。知らずに損する人が多い制度を押さえましょう。
- ✓再就職手当とは:基本手当の支給残日数を3分の1以上残して安定した職業に就いた場合に、残りの一部をまとめて受け取れる制度
- ✓金額:残日数3分の2以上で「残額の70%」、3分の1以上で「残額の60%」を一括支給
- ✓例:所定給付日数90日・基本手当日額6,000円の人が、60日以上残して再就職 → 約25万円前後の一時金になるイメージ
- ✓主な条件:①待期7日間の経過後の就職、②1年を超えて勤務することが確実、③離職前の会社(関連会社含む)への再就職でない、④過去3年以内に再就職手当を受けていない など
- ✓さらに:再就職先の賃金が前職より低い場合は「就業促進定着手当」の上乗せもある(6ヶ月勤務後に申請)
- ✓戦略的な意味:「もらい切るまで働かない」は、給付総額でも生涯収入でもキャリアの鮮度でも損。早期決定+再就職手当が最も合理的なルート
- ✓手続き:採用証明書を再就職先に書いてもらい、ハローワークへ。入社前日までの失業認定も忘れずに
認定日と求職活動実績:受給を止めないための実務ルール
失業保険は「申請したら自動で振り込まれる」ものではなく、4週間ごとの失業認定で求職活動の実績を示し続ける必要があります。
- ✓認定日の基本:4週間に1回、指定された日にハローワークで失業認定を受ける(原則、日時の変更は面接・病気など正当な理由のみ)
- ✓必要な実績:認定期間ごとに原則2回以上の求職活動実績(初回認定は1回でよい場合が多い)
- ✓実績になるもの:求人への応募(最も確実)、ハローワークの職業相談・紹介、許可された職業紹介事業者のセミナー受講、再就職に必要な資格試験の受験など
- ✓実績にならないもの:求人サイトの閲覧だけ、転職サイトへの登録だけ、知人への相談——「閲覧・登録のみは不可」が全国共通の運用
- ✓効率的な作り方:認定日にそのまま職業相談を受ければ1回分になる。転職エージェント経由の応募も実績になるため、通常の転職活動をしていれば自然に満たせる
- ✓うっかり事故:認定日を忘れると、その期間の支給が受けられない(次回認定までずれ込む)。カレンダーの繰り返し通知に登録するのが確実
- ✓不正受給は厳禁:就労・収入の未申告は返還+最大2倍の納付命令の対象。アルバイトをした日は正直に申告すれば、その日数分の繰り越しで済む