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転職時の退職金完全ガイド【2026年版】計算方法・受取方・税金まで徹底解説

公開:2026-05-09更新:2026-05-09監修:転職エージェントLab 編集部

転職を考えたとき、多くの人が「退職金はどうなるんだろう?」という疑問を持ちます。勤続年数によって大きく変わる退職金は、転職のタイミングを誤ると数十万〜数百万円の損失になりかねません。しかも退職金の計算方法や税金の仕組みは複雑で、正確に理解している人は少ないのが実情です。

この記事では、転職時の退職金について「計算方法」「受け取り方」「税金の仕組み」「転職タイミングへの影響」まで、実際のデータと具体例を使って徹底解説します。転職前に必ず読んでおくことで、退職金に関するトラブルや損失を防ぐことができます。

また、退職金制度がない企業への転職や、退職金の代わりに導入が進む企業型確定拠出年金(DC)についても詳しく説明します。転職活動中の方はもちろん、今すぐ転職を考えていない方も、知識として身につけておくことをおすすめします。

目次

  1. 1. 退職金制度の基本的な仕組みと種類
    1. 1-1. 退職金制度の3つの主要タイプ
    2. 1-2. 中小退職金共済(中退共)と退職金前払い制度
  2. 2. 転職時の退職金計算方法を具体例で理解する
    1. 2-1. ポイント制退職金の計算例
    2. 2-2. 定率制(給与比例制)退職金の計算例
    3. 2-3. 勤続年数と退職金の関係:転職タイミングへの影響
  3. 3. 退職金にかかる税金の仕組みを徹底解説
    1. 3-1. 退職所得控除額の計算方法
    2. 3-2. 課税退職所得と実際の税額計算
    3. 3-3. 退職金の受け取り方と税金手続き
  4. 4. 企業型確定拠出年金(DC)と退職金の違い
    1. 4-1. 転職時の企業型DC手続きの流れ
    2. 4-2. 退職金とDCを両方持っている場合の注意点
  5. 5. 退職金が少ない・ない会社を見分ける方法
    1. 5-1. 転職先の退職金制度を確認する5つの方法
    2. 5-2. 退職金がない会社に転職する際の対処法
  6. 6. 退職金に関するよくある疑問Q&A
    1. 6-1. Q:試用期間中に退職した場合、退職金は出るの?
    2. 6-2. Q:転職先に短期間で転職を繰り返した場合、退職金への影響は?
    3. 6-3. Q:退職金と失業給付は同時に受け取れる?
  7. 7. 転職前にやるべき退職金関連のチェックリスト
    1. 7-1. 退職前の確認事項
    2. 7-2. 転職先確認事項
  8. 8. 転職エージェントを活用して退職金を含めたトータル待遇を交渉する
    1. 8-1. 退職金交渉に強い転職エージェント

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退職金制度の基本的な仕組みと種類

退職金とは、企業が従業員の退職時に支払う一時金または年金形式の給付のことです。日本では法律上の義務はなく、あくまでも企業が任意で設ける制度ですが、厚生労働省の調査によると規模が大きい企業ほど退職金制度を持つ傾向があります。従業員1,000人以上の大企業では約90%以上が退職金制度を導入していますが、中小企業では導入率が60%程度に留まっています。

退職金制度にはいくつかの種類があり、企業によって採用している制度が異なります。自分の会社がどの制度を使っているかを理解することが、退職金の正確な計算の第一歩です。

退職金制度の3つの主要タイプ

日本の退職金制度は大きく分けて3種類あります。それぞれの仕組みと特徴を理解しておきましょう。

  • ①定額制:勤続年数に応じて一律の金額が支払われる最もシンプルな制度。勤続10年なら○○万円、20年なら○○万円と勤続年数ごとに金額が定められている
  • ②ポイント制:勤続年数・職位・評価などのポイントを積み立て、退職時の累積ポイントに単価を掛けて計算する制度。現在最も普及しているタイプ
  • ③定率制(給与比例制):退職時の給与(最終月給または平均月給)に勤続年数ごとの支給率を掛けて計算する。月給が高いほど退職金も多くなる

中小退職金共済(中退共)と退職金前払い制度

中小企業が多く活用しているのが「中小企業退職金共済(中退共)」です。企業が毎月一定額を中退共に積み立て、退職時に従業員へ直接支払われる仕組みです。退職金の管理を外部委託できるため、中小企業の退職金制度として広く普及しています。

また近年増えているのが「退職金前払い制度」です。毎月の給与に退職金相当額を上乗せして支払う仕組みで、従業員は退職まで待たずにお金を受け取れる反面、退職時に多額の退職金は支払われません。転職時には現在の会社の退職金制度がこれに該当しないかを確認しましょう。

転職時の退職金計算方法を具体例で理解する

退職金の計算方法は会社の就業規則・退職金規程に定められています。入社時に受け取った就業規則や、会社のイントラネットで確認できることが多いです。人事部門に問い合わせることも可能で、在職中であれば開示してもらえます。

ここでは最も一般的な「ポイント制」と「定率制」を例に、実際の計算方法を解説します。

ポイント制退職金の計算例

ポイント制では、勤続年数・職位・人事評価などで毎年ポイントが付与され、退職時の累積ポイントに「ポイント単価」を掛けて退職金額が決まります。例えば「1ポイント=1万円、勤続1年=10ポイント(一般社員)、勤続1年=15ポイント(主任)」という制度の場合を考えます。

10年間一般社員として勤務した場合:10ポイント×10年×1万円=100万円。5年一般社員(10P/年)+5年主任(15P/年)の場合:(10×5+15×5)×1万円=125万円になります。在職中に昇格するほど退職金が増える仕組みになっています。

定率制(給与比例制)退職金の計算例

定率制では「退職時の基本給×支給率×退職事由係数」で計算します。支給率は勤続年数によって異なり、例えば「10年=7.5ヶ月分、15年=12ヶ月分、20年=18ヶ月分」のように設定されています。

例として、基本給40万円で勤続12年・自己都合退職の場合:40万円×9ヶ月分(勤続12年の目安)×0.9(自己都合係数)=324万円となります。会社都合退職の場合は係数が1.0以上になるため金額が増えます。自己都合退職の場合、係数が0.8〜0.9程度に下がることが多いため、特に勤続年数が長い場合は会社都合になるかどうかも確認が必要です。

勤続年数と退職金の関係:転職タイミングへの影響

退職金額は勤続年数によって大きく変動します。特に「3年未満は退職金なし」「5年未満は大幅減額」という企業が多く、入社後すぐの転職では退職金がほとんど発生しません。勤続3〜5年で転職する場合と10年で転職する場合では、退職金が100万円以上違うケースも珍しくありません。

また、「満X年を超えると支給率が大幅アップする」節目の勤続年数が設けられていることがあります。就業規則で勤続10年・15年・20年の支給率ジャンプが設定されている場合、その節目前後での転職は退職金額に大きく影響します。転職を決断する前に、勤続年数と退職金の関係を必ず確認してください。

  • 勤続3年未満:多くの企業で退職金ゼロまたは寸志のみ
  • 勤続3〜5年:支給率が低く、退職金は50万円以下が一般的
  • 勤続10年:退職金の「節目」になる企業が多く、100〜300万円程度
  • 勤続20年:300〜700万円程度(企業・職位によって大きく異なる)
  • 勤続30年以上:500万〜1,500万円(大企業の場合はさらに高額になることも)
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退職金にかかる税金の仕組みを徹底解説

退職金は「退職所得」として所得税・住民税が課税されますが、通常の給与所得とは異なる優遇税制が適用されます。「退職所得控除」という大きな控除があるため、勤続年数が長ければ長いほど税負担は軽くなります。

退職金の税金計算は3ステップで行います。①退職所得控除額を計算する、②課税退職所得金額を計算する、③税率をかけて税額を算出する、という流れです。

退職所得控除額の計算方法

退職所得控除額は勤続年数によって決まります。計算式は以下の通りです。

  • 勤続年数20年以下の場合:40万円×勤続年数(最低80万円)
  • 勤続年数20年超の場合:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
  • 例)勤続10年の場合:40万円×10年=400万円の控除
  • 例)勤続20年の場合:40万円×20年=800万円の控除
  • 例)勤続30年の場合:800万円+70万円×10年=1,500万円の控除

課税退職所得と実際の税額計算

課税退職所得金額=(退職金額-退職所得控除額)÷2 で計算します。この「÷2」の措置があるため、退職金は通常の給与収入に比べて大幅に税負担が軽くなります。

具体例:勤続15年・退職金500万円の場合。退職所得控除=40万円×15年=600万円。退職金500万円<控除額600万円のため、課税退職所得は0円となり税金は一切かかりません。勤続20年・退職金1,000万円の場合:退職所得控除800万円、課税退職所得=(1,000万円-800万円)÷2=100万円。この100万円に対して所得税・住民税がかかりますが、実際の税額は数万円程度に留まります。

退職金の受け取り方と税金手続き

退職金を一時金として受け取る場合、通常は会社が「退職所得の受給に関する申告書」を用いて源泉徴収を行います。この申告書を提出することで、退職金から計算された税額のみが差し引かれた形で振り込まれます。

転職先が決まっている場合でも、退職金は前の会社から支払われます。確定申告が必要な場合(退職金以外の収入がある場合・医療費控除を受ける場合等)は翌年2〜3月の確定申告で精算します。退職所得申告書を提出し忘れた場合、一律20.42%の源泉徴収が行われ、確定申告で精算が必要になることがあります。

企業型確定拠出年金(DC)と退職金の違い

近年、従来型の退職金制度に代わり「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を導入する企業が急増しています。企業型DCは退職金制度の一形態ですが、仕組みが大きく異なります。転職時の手続きも複雑なため、正確に理解しておく必要があります。

企業型DCでは、企業が毎月一定額(掛け金)を従業員の個人口座に拠出し、従業員が自分で運用商品を選んで運用します。退職時の受取額は「運用実績によって変わる」ため、確定給付型の退職金と異なります。

転職時の企業型DC手続きの流れ

企業型DCに加入している場合、転職時には「年金資産の移換(ポータビリティ)」手続きが必要です。この手続きを怠ると、年金資産が自動的に「国民年金基金連合会」に移管され、運用コストが高い現金相当の商品で管理される「自動移管」状態になってしまいます。

自動移管になると、運用が停止されるだけでなく、毎月手数料が差し引かれ続けます。6ヶ月を超えると新たな積み立てもできなくなるため、退職後速やかに手続きを行うことが重要です。転職先に企業型DCがある場合は移換、ない場合はiDeCoへの移換を検討しましょう。

  • 退職後6ヶ月以内に手続きを完了させる(自動移管を防ぐため)
  • 転職先に企業型DCがある場合:転職先の企業型DCへ移換
  • 転職先に企業型DCがない・iDeCoに加入している場合:iDeCoへ移換
  • 転職先が決まっていない場合:先にiDeCoに加入し移換する
  • 移換手続きは退職前から準備を始めると安心

退職金とDCを両方持っている場合の注意点

会社によっては従来型退職金制度と企業型DCを両方設けている場合があります。この場合、退職時には退職金一時金と企業型DCの資産の両方を受け取ることになります。受取方法(一時金・年金・一時金と年金の組み合わせ)によって税金の計算が変わるため、事前に確認が必要です。

特に注意が必要なのは「退職所得控除の重複利用」です。企業型DCを一時金として受け取った場合も退職所得控除が適用されますが、同じ年に退職金一時金も受け取ると、控除額の調整が必要になる場合があります。税理士や転職エージェントのファイナンシャルアドバイザーに相談することをおすすめします。

退職金が少ない・ない会社を見分ける方法

転職先の退職金制度は、求人票だけでは分かりにくいことがあります。転職後に「この会社は退職金がなかった」「思ったより少なかった」とならないよう、事前に確認する方法を知っておきましょう。

退職金制度がない企業は中小企業に多い傾向がありますが、大企業でも退職金を廃止して確定拠出年金に完全移行するケースが増えています。制度の有無だけでなく、受け取れる金額の水準も確認することが重要です。

転職先の退職金制度を確認する5つの方法

転職先の退職金制度を調べる方法はいくつかあります。内定後であれば直接確認できますが、選考中でも確認できる方法があります。

  • ①求人票・採用ページを確認:「退職金制度あり」の記載があれば制度が存在する。ただし金額水準は分からない
  • ②転職エージェントを通じて確認:エージェント経由の求人であれば、企業の退職金制度の詳細を確認してもらえることが多い
  • ③OpenWork・転職会議の口コミを確認:在職者・退職者の口コミに退職金について記載されていることがある
  • ④内定後に就業規則・退職金規程の開示を求める:内定承諾前に「退職金規程を確認させてください」と申し出ることは正当な権利
  • ⑤面接での逆質問で確認:「退職金制度の概要を教えていただけますか」と聞くことは問題ない

退職金がない会社に転職する際の対処法

退職金制度がない会社への転職を選択する場合、自分で老後資金を準備する必要があります。iDeCoへの加入・NISAの活用・生命保険の貯蓄型商品への加入など、自助努力による資産形成が重要になります。

退職金がない代わりに基本給や賞与が高めに設定されている企業もあります。「退職金ありの企業:年収500万円」と「退職金なしの企業:年収550万円」を単純比較するのは適切ではなく、30〜40年のキャリア全体で総合的に比較することが重要です。転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談することで、企業の福利厚生全体の水準を把握できます。

退職金に関するよくある疑問Q&A

退職金に関して転職者からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

Q:試用期間中に退職した場合、退職金は出るの?

試用期間中の退職については、多くの企業で「正式採用後の勤続年数からカウント」される規定になっています。試用期間は通常3〜6ヶ月で、この期間は退職金の勤続年数に含まれないケースが大半です。就業規則に「試用期間を除く」と明記されていることが多いため、入社時に確認しておくと良いでしょう。

Q:転職先に短期間で転職を繰り返した場合、退職金への影響は?

転職を繰り返すと、各社での勤続年数が短くなるため、それぞれの会社からの退職金は少額になります。前述の通り、勤続3年未満では退職金がゼロの企業が多く、頻繁な転職は退職金という観点では不利になります。ただし、転職による年収アップ効果が退職金の損失を上回るケースも多いため、長期的なキャリアプラン全体で判断することが重要です。

Q:退職金と失業給付は同時に受け取れる?

退職金と失業給付(雇用保険の基本手当)は別制度のため、両方同時に受け取ることは可能です。ただし、退職金が一定額以上の場合、雇用保険の給付制限期間に影響することがあります(退職金が「賃金」とみなされる場合)。一般的な退職金一時金は雇用保険上の賃金に含まれないため、失業給付に影響しないケースがほとんどですが、DCなど特殊な形式の場合は確認が必要です。

転職前にやるべき退職金関連のチェックリスト

転職前に退職金に関してやっておくべきことをまとめました。このチェックリストを活用して、転職後に後悔しないよう準備を整えましょう。

退職前の確認事項

現在の会社を退職する前に、以下の事項を確認しておきましょう。

  • □ 現在の会社の退職金規程を就業規則で確認する
  • □ 現時点での推定退職金額を人事に確認する(在職中であれば開示してもらえる)
  • □ 企業型DCに加入している場合、残高と移換先を決める
  • □ 退職日のタイミングが退職金の節目に影響しないか確認する
  • □ 自己都合・会社都合の退職区分が退職金に影響するか確認する
  • □ 退職金の受け取り方(一時金・年金・分割等)を選択する

転職先確認事項

転職先に対しても、以下の点を確認しておくと安心です。

  • □ 転職先に退職金制度があるか確認する
  • □ 退職金制度の種類(定額・ポイント・DC等)を確認する
  • □ 試用期間が退職金の勤続年数にカウントされるか確認する
  • □ 企業型DCがある場合、掛け金の上限額と運用商品を確認する
  • □ 退職金規程の開示が可能か確認する(内定後に依頼)
  • □ 退職金なしの場合、自分でiDeCo・NISAを活用した準備計画を立てる

転職エージェントを活用して退職金を含めたトータル待遇を交渉する

退職金を含めた転職先の待遇交渉は、個人で行うよりも転職エージェントを通じた方が有利に進みやすいです。エージェントは同業他社・同ポジションの退職金水準を把握しており、「業界水準と比べて低い」という客観的な根拠を持って企業と交渉することができます。

リクルートエージェントやdodaのような大手転職エージェントは、年収・賞与・退職金を含めたトータルパッケージでの年収交渉に長けています。特に「退職金が手薄な代わりに基本給を上げてほしい」「確定拠出年金の掛け金を増やしてほしい」といった交渉はエージェント経由の方が通りやすい傾向があります。

退職金交渉に強い転職エージェント

退職金を含めた待遇交渉に強い転職エージェントを選ぶポイントは、担当アドバイザーの経験と企業との交渉実績です。以下のような大手・特化型エージェントは、待遇交渉の実績が豊富です。

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この記事を書いた人

転職・キャリア専門メディア 編集部

転職エージェントLab 編集部

転職エージェントLab編集部は、人材業界出身の運営者が中心となり、実際の業界経験をもとに転職エージェントの情報を調査・発信しています。読者が自分に合ったエージェントを選べるよう、各サービスの特徴・求人実績を中立な視点でまとめています。

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