在職中の転職活動と退職後の転職活動の違い
転職活動は「在職中に行う」か「退職してから行う」かで、精神的・経済的な状況が大きく変わります。どちらが自分に合っているかを理解した上で判断することが重要です。
在職中の転職活動のメリット・デメリット
- ●【メリット】収入が途絶えないため金銭的な余裕がある
- ●【メリット】転職先を納得できるまで選べる
- ●【メリット】「現在就業中」という点が企業からの評価に有利
- ●【デメリット】業務と転職活動の両立が大変
- ●【デメリット】面接の日程調整が難しい(平日昼間の面接は有給を使う必要がある)
- ●【デメリット】転職活動のペースが遅くなりがち
退職後の転職活動のメリット・デメリット
- ●【メリット】転職活動に専念できるためスピードが速い
- ●【メリット】平日の面接にも対応しやすい
- ●【デメリット】収入がゼロになるため金銭的な不安がある
- ●【デメリット】焦りから妥協した転職先を選ぶリスクがある
- ●【デメリット】無職期間が長いと企業から懸念されることがある
結論:在職中の転職が基本
金銭的な安心と転職先を慎重に選ぶ余裕のために、基本的には在職中に転職活動を行うことをおすすめします。「今すぐ辞めたい」という状況でも、転職先が決まってから退職するのが理想です。
この記事に関連する転職エージェント比較
本記事のテーマに関連する主要エージェントを、総合評価・求人数・対応年収帯・特化領域で比較しました(各社の公開情報をもとに編集部が整理)。
| サービス名 | 総合評価 | 求人数 | 年収帯 | 対象年代 | 特化領域 | 登録 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| リクルートエージェント 総合型ハイクラス | 4.8/5.0 | 50万件以上 | 400万〜1,000万 | 20代・30代・40代 | IT・営業 | 無料登録 |
| type転職エージェント 総合型 | 4.4/5.0 | 3.7万件以上 | 300万〜800万 | 20代・30代・女性・ITエンジニア・営業職 | IT・エンジニア | 無料登録 |
| ワンキャリア転職 総合型ハイクラス | 4.5/5.0 | 非公開求人多数 | 400万〜1,500万 | 20代・30代・ハイクラス・管理職経験者 | コンサルタント・経営企画 | 無料登録 |
転職活動にかかる費用の目安
転職活動にはさまざまな費用が発生します。事前に費用を把握しておくことで、計画的に備えられます。
転職活動の主な費用一覧
- ●交通費:面接1回につき往復500〜3,000円(地方からの上京は新幹線代が数万円)
- ●スーツ・靴・カバン:スーツ2〜3万円・靴1〜2万円(持っていない場合)
- ●書類印刷・文房具:数千円
- ●写真撮影(履歴書用):1,000〜5,000円
- ●資格・スキルアップの費用:数万〜数十万円(任意)
- ●転職エージェント・転職サイトの利用料:無料(求職者側は完全無料)
転職活動の費用合計の目安
スーツ等の衣類がある場合で合計1〜3万円、スーツを新調する場合で5〜10万円程度が目安です。転職エージェント・転職サイトの利用料は無料のため、余分な出費は必要ありません。
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退職後に転職活動をする場合の生活費管理
退職後に転職活動を行う場合、収入が途絶えます。生活費の管理と活用できる制度を正しく把握することが重要です。
生活費の最低目安
退職後に必要な生活費は個人の生活スタイルによって異なりますが、一般的な単身者で月15〜25万円(家賃・食費・光熱費・通信費等を含む)が目安です。
転職活動の期間は平均2〜3ヶ月(在職中)〜3〜6ヶ月(退職後)かかります。退職後の転職活動なら最低でも3〜6ヶ月分の生活費(45〜150万円)を手元に用意しておくことをおすすめします。
失業給付(雇用保険の失業手当)の活用
会社を退職した場合、雇用保険の失業手当(基本手当)を受け取れる可能性があります。受給条件・金額・期間を把握して活用しましょう。
- ●受給条件:離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上
- ●給付額:退職前6ヶ月の平均給与の50〜80%(上限あり)
- ●給付期間:90〜330日(年齢・雇用保険加入期間・退職理由による)
- ●自己都合退職:2ヶ月(場合によっては3ヶ月)の給付制限期間あり
- ●会社都合退職:給付制限なし(すぐに受け取れる)
国民健康保険・国民年金の費用も忘れずに
退職後は健康保険・年金を自分で支払う必要があります。国民健康保険の保険料は前年の所得によって異なりますが、一般的な会社員の場合月2〜5万円前後になることが多いです。国民年金は月16,980円(2026年度)です。
これらの費用も加算して生活費を計算しておきましょう。
転職活動中の節約術
固定費を見直す
転職活動中は収入が不安定になりやすいため、固定費(スマートフォン代・サブスク等)を見直して支出を抑えることが有効です。格安SIMへの乗り換えや、使っていないサブスクリプションの解約を検討しましょう。
転職エージェントを最大限活用して費用を削減
転職エージェントは無料で利用でき、書類作成サポート・面接対策・企業との日程調整まで代行してくれます。転職に必要なコスト(時間・労力)を削減するためにも積極的に活用しましょう。
転職活動を在職中に完了させる
最大の節約は「在職中に転職活動を完了させる」ことです。退職後の無収入期間をゼロにできれば、生活費の心配がなくなります。在職中の転職活動の進め方は別記事「在職中の転職活動の進め方」でも詳しく解説しています。
転職活動中に活用できる公的支援制度
失業給付以外にも、転職活動中に活用できる公的支援制度があります。知らずに損をしないよう確認しておきましょう。
職業訓練受講給付金・ハロートレーニング
ハローワークが提供する職業訓練(ITスキル・簿記・介護資格等)を受講すると、失業給付に加えて職業訓練受講給付金が支給される場合があります。スキルアップをしながら生活費の不安を軽減できる制度で、受講中も原則無料でカリキュラムを受けられます。
住居確保給付金
離職・廃業から2年以内の方を対象に、家賃相当額を一定期間支給する制度です。収入・資産要件を満たせば、退職後の家賃負担の不安を軽減できます。お住まいの自治体の窓口(自立相談支援機関)で申請できます。
教育訓練給付制度
厚生労働大臣指定の講座(資格取得・スキルアップ講座)を受講した場合、受講費用の一部(20〜70%、上限あり)が支給される制度です。在職中・離職中どちらでも申請可能で、転職に有利な資格取得を目指す方は積極的に活用しましょう。
退職前にやっておくべきお金の準備
退職を決断する前に、金銭面での準備を整えておくことで、転職活動を安心して進められます。
- ✓生活費3〜6ヶ月分の貯蓄を確保する(退職後に転職活動を行う場合は必須)
- ✓各種ローン・クレジットカードの支払い状況を整理し、収入減少時の影響を試算する
- ✓健康保険の切り替え(任意継続被保険者制度 or 国民健康保険)のどちらが有利か事前に比較する
- ✓退職金の支給時期・金額を人事部に確認し、資金計画に織り込む
- ✓副業・アルバイトで収入を補填する選択肢も、転職活動と並行して検討しておく
転職活動中のお金の管理術:実践編
実際に転職活動を行った方々が実践している、お金の管理の工夫を紹介します。
家計簿アプリで支出を可視化する
マネーフォワードME・Zaim等の家計簿アプリを使い、転職活動期間中の支出を細かく可視化することで、無駄な出費を発見しやすくなります。特に「移動費」「外食費」は転職活動中に増加しやすい項目のため、意識的に管理しましょう。
生活防衛資金と転職活動資金を分けて管理する
「絶対に手をつけない生活防衛資金」と「転職活動に使う資金」を口座で分けて管理することで、資金が底をつく不安を軽減できます。転職活動資金の残高を毎月確認し、活動の長期化に備えた計画修正を行うことも重要です。
固定費の一時的な見直しを検討する
住宅ローン・生命保険料など固定費の支払いが厳しくなりそうな場合は、金融機関・保険会社に「返済猶予」「保険料の減額・払込猶予」の相談をすることも選択肢です。多くの金融機関は正当な事情があれば柔軟に対応してくれるため、滞納する前に早めに相談することが重要です。
あわせて読みたい:type転職エージェント
type転職エージェントを無料で確認する転職活動の長期化に備えるリスク管理
想定より転職活動が長引いた場合に備えて、事前にリスク管理をしておくことが重要です。
転職活動が長期化する主な要因
希望条件を絞りすぎている、応募数が少ない、面接対策が不十分、市場価値と希望条件にギャップがある、といった要因で転職活動が3ヶ月以上長期化することがあります。長期化の兆候が見えたら、エージェントに相談して条件・戦略を見直すことが重要です。
短期のつなぎ収入を確保する選択肢
転職活動が長引きそうな場合、単発バイト・派遣就業・業務委託の仕事を短期的に受注することで収入を確保しながら活動を継続できます。ただし就労時間によっては失業給付の受給に影響するため、ハローワークへの申告を忘れずに行いましょう。
年代・状況別:お金の不安への向き合い方
ライフステージによって金銭面での不安要素は異なります。状況別の考え方を整理しました。
20代・独身の場合
生活費が比較的少額で済むため、貯蓄が少なくても転職活動のハードルは低めです。ただし社会人経験が浅い分、内定までの期間が長引く可能性もあるため、最低3ヶ月分の生活費は確保しておくことをおすすめします。実家暮らしであれば、より積極的にリスクを取った転職活動も可能です。
30〜40代・家族がいる場合
住宅ローン・教育費など固定費が大きいため、より慎重な資金計画が必要です。配偶者の収入・貯蓄状況を含めた世帯全体でのシミュレーションを行い、最低6ヶ月分の生活費を確保した上での転職活動が安心です。家族との情報共有・合意形成も欠かせません。
住宅ローンを抱えている場合
転職前に金融機関へ「転職予定である」ことを事前に相談しておくと、審査上のトラブルを防げます。転職直後(試用期間中)はローンの新規借り入れ・借り換えが難しくなる場合があるため、大きな金銭的決断は転職前後のタイミングを避けるのが賢明です。
転職活動中に見落としがちなお金のポイント
見落としがちな金銭面の論点をまとめて確認しておきましょう。
- ✓住民税の支払い:退職後も前年所得に基づく住民税の納付義務が続くため、一括徴収か普通徴収かを事前に会社へ確認する
- ✓企業型確定拠出年金(DC)の移換手続き:退職後6ヶ月以内に手続きをしないと自動移換され、手数料がかかる場合がある
- ✓有給休暇の買取・消化:退職前に残日数を確認し、消化計画を立てておく
- ✓転職先の給与支払いサイクル:初回給与が翌月・翌々月になる場合もあるため、資金繰りに織り込んでおく
- ✓退職金・企業年金の受け取り方法:一時金と年金型でそれぞれ税制上の扱いが異なるため、事前にシミュレーションしておく
転職活動を支援する各種相談窓口の活用
お金の不安を一人で抱え込まず、専門の相談窓口を積極的に活用しましょう。
- ✓ハローワーク:失業給付・職業訓練・求人紹介まで無料で相談できる公的機関
- ✓自治体の生活困窮者自立支援窓口:住居確保給付金・生活福祉資金貸付の相談ができる
- ✓ファイナンシャルプランナー(FP):転職前後の家計シミュレーション・保険の見直し相談
- ✓労働組合・労働基準監督署:退職条件・未払い残業代等のトラブル相談
- ✓転職エージェント:求人紹介だけでなく、退職手続き・条件交渉についてもアドバイスをもらえる
退職後の社会保険の切り替え手続き
退職後は健康保険・年金の手続きを自分で行う必要があります。手続きの選択肢と注意点を解説します。
健康保険:任意継続 vs 国民健康保険
退職後は「健康保険の任意継続(最大2年間、前職の保険を継続)」か「国民健康保険への加入」のいずれかを選べます。任意継続は保険料が全額自己負担になる一方、扶養家族がいる場合は割安になることが多いです。国民健康保険は前年の所得に応じて保険料が決まるため、退職直後は高くなりやすい点に注意が必要です。両方の見積もりを比較してから選択しましょう。
年金:国民年金への切り替え手続き
退職により厚生年金の被保険者資格を失うため、国民年金(第1号被保険者)への切り替え手続きが必要です。手続きは退職日から14日以内に市区町村役場で行います。収入が少ない期間は保険料の免除・猶予制度も利用できるため、窓口で相談してみましょう。
配偶者の扶養に入るという選択肢
配偶者が会社員・公務員の場合、収入要件(年収130万円未満が目安)を満たせば配偶者の健康保険・年金の扶養に入ることができます。この場合、保険料の自己負担がなくなるため、転職活動中の家計負担を大きく軽減できます。扶養に入る条件・手続きは配偶者の勤務先の総務・人事部に確認しましょう。ただし失業給付を受給している期間は収入とみなされ、扶養の条件を満たさなくなる場合があるため注意が必要です。失業給付の日額が一定額を超えると扶養認定から外れるケースが多いため、事前に配偶者の健康保険組合へ確認しておくと安心です。
転職活動中のお金に関するよくある質問
退職してすぐ転職先が決まった場合、失業給付はもらえますか?
内定後に就職が決まった場合、失業給付の受給条件を満たさないため受け取れません。失業給付は「就職活動中の生活支援」のための制度です。転職先が決まっている場合は手続き不要ですが、念のためハローワークへ状況を報告しておくと安心です。
転職活動の交通費は経費になりますか?
転職活動の交通費は会社員の場合、給与所得控除の範囲内で処理されます。確定申告で特定支出控除を利用できる場合もありますが、条件が限定的なため税理士に相談することをおすすめします。
退職金にかかる税金はどれくらいですか?
退職金は「退職所得控除」が適用されるため、給与所得と比べて税負担が軽減されています。勤続年数20年以下は年40万円、20年超は年70万円の控除額が積み上がります。会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておけば、通常は確定申告不要で適切な税額が源泉徴収されます。