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転職時の現職カウンターオファー(引き留め)への正しい対処法【判断基準つき】

公開:2026-05-24更新:2026-05-24監修:転職エージェントLab 編集部

「転職エージェントから内定をもらって上司に退職を伝えたら、突然『年収を上げる』『ポジションを変える』というカウンターオファーが来た」——このような状況に直面する転職者は少なくありません。

急に好待遇を提示されると「今の会社の方が良かったかも」と気持ちが揺れるのは当然です。しかし統計的には、カウンターオファーを受けて残留した人の多くが、その後1〜2年以内に転職しているというデータがあります。

この記事では、カウンターオファーを受けるべきかどうかの判断基準、受けた場合のリスク、上手な断り方まで、後悔しない選択のための情報を網羅します。

目次

  1. 1. カウンターオファーとは何か?なぜ提示されるのか
  2. 2. カウンターオファーを受けるべきか?判断するための5つの問い
    1. 2-1. 問い①:転職を決めた「根本的な理由」は解決されるか
    2. 2-2. 問い②:カウンターオファーの条件は「約束として信頼できるか」
    3. 2-3. 問い③:残留した場合、今後の評価・環境はどう変わるか
    4. 2-4. 問い④:転職先との比較で、現職は本当に魅力的か
    5. 2-5. 問い⑤:転職先への影響を考えたか
  3. 3. データが語るカウンターオファー受諾後の現実
  4. 4. カウンターオファーを断るときの上手な伝え方
    1. 4-1. 断るときの基本姿勢:感謝と誠実さ
    2. 4-2. 引き止め別の断り文句
    3. 4-3. 繰り返し引き留められる場合の対処法
  5. 5. 例外的にカウンターオファーを検討すべきケース
    1. 5-1. 検討の価値があるケース
  6. 6. まとめ:カウンターオファーは「根本的な問題が解決されるか」で判断する

カウンターオファーとは何か?なぜ提示されるのか

カウンターオファーとは、社員が退職の意思を告げた際に、企業(主に上司・人事)が引き留めを目的として提示する「特別な条件改善の申し出」のことです。具体的には年収アップ・役職の昇格・部署異動・在宅勤務許可・担当業務の変更などが含まれます。

企業がカウンターオファーをする理由は主に3つです。①即戦力の社員を失うことへの恐れ(採用・育成コストが高い)、②退職が発表されることによる他の社員への波及効果(退職が連鎖するリスク)、③プロジェクトの遂行や引き継ぎへの影響軽減。

重要なのは「カウンターオファーは社員のためではなく、会社の都合で提示されることが多い」という事実です。本当に社員の価値を認めているなら、退職を告げられる前に適切な処遇をしているはずです。「退職を言って初めて価値を認められた」という状況は、本質的な問題解決になっていないケースが多いのです。

カウンターオファーを受けるべきか?判断するための5つの問い

カウンターオファーへの対処は「断る」が原則と言われますが、ケースによっては受け入れを検討することも選択肢の一つです。以下の5つの問いに答えることで、自分にとっての最適解が見えてきます。

問い①:転職を決めた「根本的な理由」は解決されるか

転職を決意した最初の理由は何でしたか?年収・役職・業務内容・人間関係・会社の将来性・スキルアップの機会——その中で「カウンターオファーで解決できること」と「カウンターオファーでは解決できないこと」を分けて考えましょう。

年収や役職といった物質的な条件はカウンターオファーで解決できますが、「社風が合わない」「尊敬できる上司がいない」「会社の将来に不安を感じる」「この業界・職種でのキャリアに限界を感じている」という理由は、カウンターオファーでは解決しません。

「お金を上げてもらえれば満足できる」という方は、カウンターオファーを検討する価値があるかもしれません。しかし転職理由が条件以外のことであれば、カウンターオファーは一時的なばんそうこうに過ぎません。

問い②:カウンターオファーの条件は「約束として信頼できるか」

口頭でのカウンターオファーは、書面化されていない限り、後から「そんなことは言っていない」と覆される可能性があります。

「6ヶ月後に昇格させる」「半年後に年収を○万円上げる」という曖昧な約束は、退職を撤回した後に反故にされるリスクがあります。カウンターオファーの内容は必ず書面(雇用契約書の変更・辞令・社内文書など)で確認することを求めましょう。

書面化を求めることを企業側が嫌がる場合は、その時点でカウンターオファーの信頼性に疑問符がつきます。

問い③:残留した場合、今後の評価・環境はどう変わるか

退職の意思を告げた後に残留した場合、職場での評価が変わる可能性があります。上司・同僚が「この人はいつか辞めるかもしれない」と思いながら接するようになること、重要なプロジェクトから外されること、昇格・昇進の候補から外れることが実際に起きるケースがあります。

日本の職場では「退職を告げた人を信頼する」文化がまだ根強くない企業も多く、「転職しようとした人」というレッテルが貼られることは十分考えられます。残留後のキャリアパスが実質的に閉ざされないかどうかを、冷静に見極める必要があります。

問い④:転職先との比較で、現職は本当に魅力的か

カウンターオファーが出たということは、転職先からの内定もある状態のはずです。カウンターオファーの内容と転職先の条件を、年収・成長機会・職場環境・将来性のすべての軸で比較してみましょう。

「カウンターオファーで年収が上がったとしても、転職先の方がトータルで優れている」という判断であれば、転職先を選ぶべきです。逆に「カウンターオファー後の現職の方が転職先より魅力的」という判断なら、残留を検討する価値があります。

問い⑤:転職先への影響を考えたか

内定を承諾した後にカウンターオファーで退職を撤回することは、転職先への大きな迷惑行為です。転職先は採用活動を終了し、配属計画を立て、他の候補者を断っている可能性が高いです。

内定承諾後のキャンセルは、転職先との信頼関係を大きく損ないます。将来またその会社に縁があったとき、または業界内で評判が広まるリスクもゼロではありません。内定承諾をした後は、余程の事情がない限りカウンターオファーに応じることは推奨されません。

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データが語るカウンターオファー受諾後の現実

欧米の採用コンサルタント会社の調査によると、カウンターオファーを受けて残留した人の約80%が、その後12〜18ヶ月以内に同じ会社を退職しているとされています。日本でも同様のトレンドがあると言われています。

この数字が意味することは、「カウンターオファーは転職を決意させた根本的な問題を解決しない」ということです。一時的な条件改善で留まっても、転職を考えるに至った環境・会社・仕事の本質は変わっていないため、数ヶ月〜1年後に再び同じ問題に直面することが多いのです。

さらに「一度退職を申し出た人」というレッテルを貼られることで、昇進機会が狭まり、結果的に同じかより悪い状況になるケースも少なくありません。このデータを踏まえると、カウンターオファーの受諾は慎重に判断すべきです。

カウンターオファーを断るときの上手な伝え方

カウンターオファーを断る場合、円満に退職するためには伝え方が重要です。相手の誠意に感謝しつつ、毅然と意思を伝えましょう。

断るときの基本姿勢:感謝と誠実さ

カウンターオファーを断る際は、「ご提案いただきありがとうございます。しかし、今回の転職は条件だけでなく、キャリアの方向性について長期的に考えた末の決断です。現職でのご配慮には感謝しておりますが、決意は変わりません」という姿勢で伝えましょう。

感情的にならず、理路整然と「転職理由が条件以外の部分にある」ことを伝えることで、相手も納得せざるを得なくなります。

引き止め別の断り文句

【年収を上げるという引き止めに対して】「ご厚意に感謝します。ただ、転職の理由は年収だけでなく、〇〇のスキルを伸ばしたい・〇〇の業界に挑戦したいという思いが強く、御社ではその機会が限られていると判断しました。」

【昇格を示唆する引き止めに対して】「昇格のご提案、誠にありがたいです。ただ、今の私には新しい環境で一から挑戦することが必要だと感じています。現職では積み重ねてきた信頼関係があり、それが逆に自分を変えるための障壁になっていると感じていました。」

【「もう少し考えて」という引き止めに対して】「ご配慮いただいてありがとうございます。実はこの決断には半年以上かけて真剣に考えてきました。既に転職先にも承諾をお伝えしており、誠意を持って進めさせていただきたいと思っています。」

繰り返し引き留められる場合の対処法

何度も繰り返し引き留められる場合は、感情的にならず「退職の意思は変わりません」という言葉を一貫して繰り返しましょう。長い説明は相手に交渉の余地を与えます。シンプルかつ明確に伝えることが重要です。

上司を通じて人事・経営陣からアプローチされるケースもありますが、基本的な対応は同じです。会社全体の判断として退職を尊重してもらえるよう、正式な退職届を提出することで手続きを前進させましょう。

退職届の提出は意思の固さを示す行動です。口頭での退職申し出だけでは「まだ交渉の余地がある」と思われやすいため、退職日・退職理由を記した退職届を早期に提出することをお勧めします。

例外的にカウンターオファーを検討すべきケース

「カウンターオファーは断るべき」とお伝えしてきましたが、例外的に検討の価値があるケースも存在します。

検討の価値があるケース

①転職の動機が「純粋に条件(年収・役職)だけ」だった場合:人間関係も仕事内容も会社の方向性も全て満足しており、唯一の不満が年収・役職だった場合は、カウンターオファーで問題が完全に解決します。

②カウンターオファーの内容が書面で明確に保証される場合:口頭ではなく、正式な雇用条件の変更書が提示される場合は、その実行可能性が高いと言えます。

③転職先への内定承諾前の段階で、転職先の条件よりカウンターオファーの方が明確に優れている場合:内定承諾前であれば、転職先への迷惑を最小限に抑えつつ残留の選択も現実的です。

まとめ:カウンターオファーは「根本的な問題が解決されるか」で判断する

カウンターオファーへの対処のポイントをまとめます。

①転職を決意した根本的な理由がカウンターオファーで解決されるかどうかを冷静に見極める。②カウンターオファーの内容は口頭ではなく書面で確認する。③残留した場合の職場での立ち位置・評価への影響を考慮する。④内定承諾後のキャンセルは転職先への迷惑行為であることを忘れない。⑤カウンターオファーを断る場合は、感謝を伝えつつ毅然と意思を示す。

カウンターオファーは「退職を告げて初めて出てきた条件改善」です。もし本当に自分を大切にしてくれる会社なら、退職を告げる前に適切な処遇がなされているはずです。この根本的な事実を念頭に置いた上で、後悔のない判断をしてください。

転職を決意した理由が正当なものであれば、カウンターオファーに揺さぶられることなく、新しい挑戦に向かって歩み出す勇気を持ちましょう。転職先のキャリアがあなたに大きな可能性を開いてくれるはずです。

この記事を書いた人

転職・キャリア専門メディア 編集部

転職エージェントLab 編集部

転職エージェントLab編集部は、人材業界出身の運営者が中心となり、実際の業界経験をもとに転職エージェントの情報を調査・発信しています。読者が自分に合ったエージェントを選べるよう、各サービスの特徴・求人実績を中立な視点でまとめています。

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