退職前にやるべきこと・準備チェックリスト完全版【転職・円満退職の手順】

公開:2026-05-02更新:2026-07-15監修:転職エージェントLab 編集部

転職先が決まり、いよいよ退職の手続きへ。しかし「退職前に何をすればいいのか」「退職に向けてどう準備すれば円満に進むのか」が分からない方は多いです。退職の手続きを誤ると、有給消化できなかった・退職金が減った・転職先への入社が遅れた、というトラブルに繋がります。

この記事では退職前にやるべきこと・チェックリスト・各種手続きの詳細・引継ぎのコツ・円満退職のための会社への伝え方を完全に解説します。順を追って準備を進めて、スムーズな転職を実現しましょう。

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退職前にやるべきこと 全体スケジュール

退職・転職の準備は「退職申し出の2〜3ヶ月前から」開始するのが理想です。日本の多くの企業では就業規則に「退職の1〜2ヶ月前までに申し出ること」と定められているため、転職先の入社日から逆算してスケジュールを立てましょう。

転職先の入社日を決定→②退職申し出のタイミングを設定→③退職日・有給消化の交渉→④引継ぎ開始→⑤各種手続き(健康保険・失業給付など)→⑥最終出社・退職→⑦新しい会社への入社、という流れが一般的です。

退職申し出から退職までの一般的なタイムライン

退職申し出から最終出社まで、一般的には1〜3ヶ月かかります。民法上は退職の意思表示から2週間で退職できますが、就業規則・引継ぎ・有給消化を考慮すると1〜2ヶ月の余裕が必要です。

管理職・専門職の場合は引継ぎに時間がかかるため、2〜3ヶ月前の申し出が望ましいです。ただし内定承諾後は速やかに退職申し出を行い、転職先の希望入社日に合わせてスケジュールを調整しましょう。

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退職前チェックリスト:会社への手続き

退職に際して会社に対して行うべき手続きと確認事項をチェックリスト形式でまとめます。

退職申し出・退職日の確定

退職の申し出は必ず直属の上司に口頭で先に報告し、その後書面(退職届)で提出するのが正式な手順です。メールや電話での退職申し出は基本的に避けましょう(緊急の場合を除く)。

退職日は「転職先の入社日の前日」が一般的ですが、退職日と入社日の間に有給消化・準備期間を設ける場合は、転職先に入社日の調整を相談することも可能です。

  • 就業規則で退職申し出の期限を確認(多くの企業で1〜2ヶ月前)
  • 直属の上司への口頭報告(まず1対1で報告する)
  • 退職届の提出(会社指定の書式がある場合はそれに従う)
  • 退職日の確定(転職先の入社日から逆算)
  • 有給休暇の残日数を確認・消化計画を立てる

引継ぎの準備と実施

円満退職のための最重要事項が「丁寧な引継ぎ」です。引継ぎが不十分だと会社・同僚に迷惑がかかり、退職後の人間関係・評判にも影響します。また将来同じ業界で働く場合、円満退職の評判は思わぬところで役に立ちます。

引継ぎは「業務一覧の作成→マニュアル・資料の整備→引継ぎ担当者への説明→テスト期間→最終確認」という流れで進めましょう。

  • 担当業務の一覧化(誰が見ても分かるレベルで)
  • 業務マニュアル・手順書の作成・更新
  • 取引先・社外関係者への挨拶(退職日から1〜2週間前)
  • 引継ぎ担当者との十分な申し送り
  • 業務ファイル・データの整理・共有

会社から受け取るべき書類

退職時に会社から受け取る必要がある書類を確認しておきましょう。これらの書類は健康保険・失業給付・確定申告などの手続きに必要です。

  • 離職票(雇用保険の失業給付申請に必要)
  • 源泉徴収票(年末調整・確定申告に必要)
  • 雇用保険被保険者証(転職先に提出)
  • 年金手帳・基礎年金番号(年金手続きに必要)
  • 健康保険資格喪失証明書(国民健康保険加入手続きに必要)
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退職前チェックリスト:社会保険・年金の手続き

退職後は会社の健康保険・厚生年金から外れるため、速やかに手続きが必要です。手続きを怠ると保険証が使えない期間が生まれる等のトラブルになります。

健康保険の3つの選択肢

退職後の健康保険には3つの選択肢があります。①転職先の健康保険に加入(転職先の入社日から自動加入)、②任意継続被保険者として従前の健康保険を継続(退職後20日以内に手続き・保険料は自己負担)、③国民健康保険に加入(退職後14日以内に手続き・市区町村の窓口で手続き)です。

転職先への入社日が退職後すぐの場合は①が最もシンプルです。入社まで日程があく場合は②か③を選択します。任意継続は2年間のみ有効で、保険料は在職中の約2倍(会社負担分も自己負担になる)になる場合があります。

年金の手続き

退職後から転職先入社日までの期間、国民年金に加入する必要があります(転職先の厚生年金に加入するまでの間)。退職後14日以内に市区町村の窓口で国民年金への切り替え手続きを行いましょう。

国民年金保険料の支払いが困難な場合は、「保険料納付猶予制度」や「免除申請」が使えます(ただし老齢年金に影響するため慎重に判断が必要)。

退職前チェックリスト:有給消化・退職金

有給休暇の消化と退職金について、多くの方が損をしているポイントを解説します。

有給消化の正しいやり方

有給休暇は労働者の権利であり、退職前に全て消化することが可能です。有給申請を「申し訳なさそうに」する必要はありません。残有給日数を確認し「退職日の〇日前から有給消化に入ります」と上司に伝えるだけで問題ありません。

「繁忙期で有給が取れない」という場合でも、企業が有給取得を完全に拒否することは法律上できません(時季変更権は行使できますが、退職日が決まっている場合は実質的に使えない)。転職エージェントに「有給消化の相談をしたい」と伝えると、アドバイスしてもらえます。

退職金の確認・手続き

退職金は会社の就業規則・退職金規程に定められています。退職前に必ず「退職金の有無・金額計算方法・支払い時期」を人事・総務に確認しましょう。自己都合退職と会社都合退職では退職金額が異なる場合があります。

中小企業の場合、中小企業退職金共済(中退共)に加入している企業は、退職後に共済から直接退職金が振り込まれる仕組みになっています。

円満退職のための会社への伝え方のコツ

転職を成功させた後の大きな課題が「円満退職」です。退職理由の伝え方・タイミング・上司への報告の仕方で、退職後の関係・評判が大きく変わります。

  • 退職理由は「お世話になったが、〇〇というキャリア目標のため転職を決意した」とポジティブに伝える
  • 「会社・上司への不満」を退職理由として前面に出さない(円満退職のため)
  • 退職の申し出は直属の上司から先に話す(人事や他の上司に先に話すとトラブルになる)
  • 退職日は転職先の入社日から余裕を持たせて逆算する
  • 引継ぎを丁寧に行い「迷惑をかけない退職」を心がける
  • 退職後も連絡が取れるよう、信頼できる同僚との連絡先交換をしておく

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在職中の「信用力」を使い切るリスト:辞めてからでは遅い手続き

会社員の信用力は退職した瞬間に一時的に下がります。転職や独立の予定があるなら、在職中にしかできない手続きを先に済ませましょう。

  • □ クレジットカードの新規作成・上限見直し:審査は「継続勤務年数」を見るため、在職中が最も通りやすい
  • □ 住宅ローンの申請・借り換え:勤続年数と安定収入が審査の柱。転職直後は勤続1年未満で審査が厳しくなる金融機関が多い
  • □ 賃貸契約・引越し:入居審査も在職中が有利。転職に伴う引越しは、内定通知書があれば通ることも多いが、余裕を持つなら在職中に
  • □ 自動車ローン・大型の分割購入:同上。転職を挟むなら前倒しか後ろ倒し(入社1年後)に
  • □ 各種ローンの繰り上げ・借入条件の確認:収入が変動する転職前に、返済計画を一度点検
  • 注意:これらは「転職が信用を壊す」という意味ではない。勤続年数がリセットされる期間(半年〜1年)だけ審査が通りにくくなる、という時間の問題。だからこそ順番の設計が効く

データと私物の整理:情報の持ち出しは絶対NG

退職前のデスク整理には、法的なリスクを伴う領域があります。「これくらいいいだろう」が懲戒や損害賠償につながることもあるため、線引きを明確にしておきましょう。

  • 持ち出しNG:顧客リスト・営業データ・設計図・社内資料・ソースコード等の業務情報(私用メールへの転送・USBコピーもNG。不正競争防止法・秘密保持義務違反のリスク)
  • NGの理由:転職先での利用は自分と転職先の両方を訴訟リスクに晒す。「前職の情報を持ってくる人」は転職先からも信用されない
  • 持ち出してよいもの:自分の雇用契約書・給与明細・源泉徴収票・研修の修了証など、自分自身に関する書類
  • グレーの整理:自分が作った資料でも、業務で作成したものの著作権・所有権は原則会社にある。実績として語るのは自由、現物を持ち出すのは不可
  • デジタルの後始末:会社PCの私的データ(私物の写真・私用アカウントのログイン)を削除し、ブラウザの保存パスワードも消す
  • 貸与品の返却リスト化:PC・スマホ・入館証・社員証・名刺・制服・書籍——最終日に慌てないよう2週間前にリスト化
  • 私物の計画的持ち帰り:最終日に段ボールで運ぶ姿は目立つ。2〜3週間かけて少しずつが定石

退職を伝える「順序」の設計:情報の流れをコントロールする

  • 原則:最初に伝えるのは直属の上司。同僚・先輩・他部署への相談が先に漏れると、上司の面子を潰し、円満退職の難易度が跳ね上がる
  • 順序の型:①直属の上司(アポを取って個室で)→ ②上司と相談の上で人事・さらに上の上長 → ③チームメンバー → ④社外の取引先(会社の方針に従う)
  • タイミング:就業規則の申告期限(1ヶ月前が多い)より余裕を持ち、引き継ぎ期間から逆算して1.5〜2ヶ月前が現実的
  • 取引先への伝え方は会社と調整:後任の紹介とセットで伝えるのがマナー。個人的な転職先の宣伝は在職中は控える
  • SNSでの報告は最終出社後まで待つ:退職エントリや「卒業します」投稿は、社内伝達が完了してから
  • 漏れ対策:伝える順序が崩れそうなら(噂が回り始めたら)、予定を前倒しして上司に伝える——「人づてに聞く」が最悪のシナリオ

よくある質問

Q

退職前に有給休暇を全部消化することはできますか?

A

はい、法律上の権利として有給休暇の全消化が認められています。企業は労働者の有給申請を原則として拒否できません(時季変更権の例外を除く)。退職前に残有給日数を確認し、消化計画を立てて申請しましょう。

Q

退職後の健康保険はどれを選べばいいですか?

A

転職先への入社日が退職後すぐの場合は転職先の健康保険に自動加入します。入社まで1ヶ月以上空く場合は任意継続(退職後20日以内に手続き)か国民健康保険(退職後14日以内に市区町村で手続き)のどちらかを選びます。保険料を比較して負担が少ない方を選びましょう。

Q

退職の申し出はいつすれば良いですか?

A

就業規則を確認した上で、転職先の入社日から1〜2ヶ月前に申し出ることが一般的です。管理職や引継ぎが複雑な職種は2〜3ヶ月前が望ましいです。転職先の内定承諾後、速やかに退職申し出のスケジュールを立てましょう。

Q

退職後に源泉徴収票が必要になるのはいつですか?

A

転職先での年末調整(入社した年の12月)に前職の源泉徴収票が必要です。また退職した年に確定申告を行う場合も必要です。退職後に必ず会社から受け取り、大切に保管しておきましょう。

Q

使わなかった福利厚生がもったいない気がします。退職前に使っておくべき制度はありますか?

A

退職日を過ぎると消滅する権利は意外と多く、計画的な「使い切り」は正当な権利行使です。チェックすべきは、①健康診断・人間ドックの補助(年度内未受診なら退職前に受ける。転職直後は受診の機会が空きやすい)、②カフェテリアプラン・福利厚生ポイント(失効前に使い切る)、③財形貯蓄・持株会の精算手続き(解約・引き出しの手続きに時間がかかるため早めに)、④社員割引・提携施設の優待(利用は在職中のみ)、⑤資格取得補助・研修制度(申請済みのものの精算条件を確認。「取得後◯年在籍」の返還条項がある場合も)、⑥企業型DCの移換準備(退職後6ヶ月放置すると自動移換で不利になる)。特に③と⑥は手続きの期限と税務が絡むため、退職1ヶ月前には人事に確認しておくのが安全です。

Q

退職前の有給消化中に、転職先で働き始めてもいいですか?

A

法的には「二重在籍」の期間となり、原則は避けるべき状態です。問題点は3つ。①現職の就業規則の兼業禁止規定に抵触する可能性(有給消化中も雇用契約は継続している)、②社会保険・雇用保険の二重加入の事務が煩雑になる(雇用保険は二重加入できず、手続きエラーの元)、③現職・転職先の双方に対する誠実義務の観点で、トラブル時に立場が弱くなる。実務の正解は、退職日の翌日を入社日にする設計です。どうしても入社を早めたい場合は、①現職に退職日の前倒しを相談する(有給の買い取りは会社の任意だが、退職時は応じる会社もある)、②現職の兼業許可を得た上で入社日前の「業務委託」として関わる、など、両社に事実を開示した形にすること。黙って重ねるのが最もリスクの高い選択です。

Q

退職日と月末の関係で社会保険料が変わると聞きました。退職日はいつにするのが得ですか?

A

社会保険料は「月末時点にどの保険に加入しているか」で決まるため、退職日の1日の違いで負担が変わります。仕組みは、①月末退職(例:3月31日):その月まで会社の社会保険に加入し、保険料は労使折半のまま、②月末の1日前退職(例:3月30日):その月は会社の保険から外れ、国保+国民年金に自分で加入して全額自己負担(転職の空白がある場合)。つまり、次の会社にすぐ入らない場合は「月末退職」のほうが、折半分だけ負担が軽くなるのが一般論です。一方、すぐ転職する場合は、月末退職→翌月1日入社なら切れ目なく引き継がれ、どちらの会社で払うかの違いだけになります。例外的に、退職月の給与から2ヶ月分の保険料が引かれて驚くケース(月末退職時の徴収ルール)もあるため、最後の給与明細は仕組みを踏まえて確認しましょう。

Q

引き継ぎ資料はどこまで作り込むべきですか?後任が決まっていません。

A

後任不在の引き継ぎは「人に教える」のではなく「文書に託す」ことになるため、資料の自立性が命です。実務的な構成は、①業務一覧表(業務名・頻度・所要時間・関係者・優先度の一覧。まずこれだけでも価値がある)、②手順書(頻度の高い業務トップ5だけ、画面キャプチャ付きで詳細に。全業務の詳細化は不要)、③関係者マップ(社内外の連絡先・キーパーソン・「この件はこの人に聞く」の対応表)、④進行中案件の状態メモ(経緯・現状・次のアクション・期限)、⑤パスワード・権限の引き継ぎリスト(セキュリティルールに従って)。作り込みの目安は「3ヶ月後に初めて読む人が、あなたに連絡せずに業務を回せるか」。完璧な百科事典より、探しやすい目次と「困ったらここを見る」の導線が実際には役立ちます。作成には実働で2〜4週間かかるため、退職表明前から着手するのが理想です。

この記事を書いた人

転職・キャリア専門メディア 編集部

転職エージェントLab 編集部

転職エージェントLab編集部は、人材業界出身の運営者が中心となり、実際の業界経験をもとに転職エージェントの情報を調査・発信しています。読者が自分に合ったエージェントを選べるよう、各サービスの特徴・求人実績を中立な視点でまとめています。

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