転職後の手続き一覧
転職後に必要な手続きは、主に以下の5つです。それぞれについて詳しく解説します。
転職後に必要な主な手続き
- ●①健康保険の手続き(加入・切り替え、扶養家族分も忘れずに)
- ●②厚生年金・国民年金の手続き(空白期間の有無で対応が変わる)
- ●③雇用保険の手続き(失業給付を受けたい場合)
- ●④住民税の手続き(特別徴収・普通徴収の切り替え)
- ●⑤確定申告・年末調整(前職の源泉徴収票が必要)
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①健康保険の手続き
健康保険は転職時の空白期間の有無によって手続きが異なります。
空白期間なし(前職退職日の翌日に新しい会社に入社)
退職日の翌日に入社する場合、新しい会社が健康保険の加入手続きを行います。自分でやることは特にありません。
会社からの案内に従い、健康保険被保険者証のコピーや必要書類を提出するだけです。
空白期間あり(前職退職日と新しい会社の入社日の間に日数がある)
空白期間がある場合、その期間は「国民健康保険」または「任意継続被保険者制度」を利用する必要があります。
- ●【国民健康保険】退職日の翌日から14日以内に市区町村の役所で加入手続き
- ●【任意継続被保険者制度】前職の健康保険を最大2年間継続できる制度。退職後20日以内に手続きが必要
- ●どちらが有利かは保険料の比較で判断(任意継続の方が安い場合もあるため必ず試算する)
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②厚生年金・国民年金の手続き
空白期間なし
空白期間がない場合、新しい会社が厚生年金の手続きを行います。会社経由で加入されるため、自分での手続きは不要です。
空白期間あり
退職日の翌日〜新しい会社の入社日の前日まで、国民年金第1号被保険者として加入する必要があります。退職後14日以内に市区町村の役所で手続きを行ってください。
国民年金の保険料は月額1万6,980円(2026年度)です。期間が短い場合も支払い義務があります。
③雇用保険の手続き
雇用保険(失業給付)の手続きが必要なのは、退職〜転職先への入社まで空白期間があり、かつ失業給付を受け取りたい場合です。
空白期間あり・失業給付を受け取りたい場合
- ●退職後、ハローワークに離職票を持参して求職申込の手続きを行う
- ●自己都合退職の場合は2ヶ月の給付制限期間あり(条件により変動あり)
- ●会社都合退職(リストラ・倒産等)の場合は給付制限なしですぐに受給できる
- ●給付日額は退職前6ヶ月の平均給与の50〜80%程度(年齢・給与額によって異なる)
転職が決まっている場合(空白期間が短い)
内定が決まっており空白期間が短い場合、失業給付の手続きよりも新しい会社への入社準備を優先しましょう。ハローワークへの手続きは必須ではありません。
④住民税の手続き
住民税は「前年の所得」に対してかかる税金で、転職しても支払い義務が続きます。
住民税の支払い方式
会社員の場合、住民税は毎月の給与から天引き(特別徴収)されます。転職後は新しい会社が引き続き天引きしてくれます。
ただし転職のタイミングによっては、一時的に「普通徴収」(自分で納付書で支払う方式)に切り替わる場合があります。
- ●1〜5月に退職した場合:退職月から5月分の住民税を一括で退職時に天引きされることが多い
- ●6〜12月に退職した場合:退職後は普通徴収に切り替わり、自分で納付書で支払う
- ●転職先では翌年6月から特別徴収(給与天引き)が再開される
⑤確定申告・年末調整
転職した年の年末調整・確定申告の手続きは、多くの転職者が悩む部分です。
転職後、年内に新しい会社に入社した場合
転職先の年末調整に前職の源泉徴収票を提出することで、1年間の税額を正しく計算してもらえます。前職から退職後に発行される源泉徴収票を必ず受け取り、転職先の年末調整(11〜12月)に提出してください。
退職〜年末まで空白期間がある場合
年末(12月31日)時点で在職していない場合は、年末調整が受けられないため、翌年2月〜3月に確定申告が必要です。e-Taxを使うとオンラインで申告できます。
確定申告が必要なケース
- ●年内に退職し、同じ年内に再就職しなかった場合
- ●同一年内に複数の会社から給与を受け取った場合
- ●副業・兼業収入が20万円を超える場合
- ●医療費控除・住宅ローン控除・ふるさと納税などの控除を受ける場合
転職後の手続きに関するよくある質問
源泉徴収票はいつもらえますか?
退職後1〜2ヶ月以内に郵送されることが多いですが、会社によって異なります。年末調整の時期(11月頃)に間に合わない場合は会社に連絡して早めに発行してもらいましょう。
転職後に健康保険証が届くまでの間、病院に行けませんか?
新しい健康保険証が届くまでの間(通常2週間程度)に病院を受診する必要がある場合、窓口で「健康保険の資格取得証明書」を提出するか、一時的に全額自己負担で受診し後から返金を受ける方法があります。会社の総務・人事に確認してください。
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転職エージェントナビを無料で確認する確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の移換手続き
近年増えている確定拠出年金の移換手続きも、転職時に忘れがちな重要な手続きです。将来の資産形成に直結するため必ず確認しましょう。
企業型DCから転職先の制度への移換
前職で企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた場合、転職先が同制度を導入していれば資産を移換できます。転職先に企業型DCがない場合は、iDeCo(個人型確定拠出年金)へ移換する手続きが必要です。手続きを忘れると「自動移換」され、運用ができないだけでなく手数料が発生し続けるため注意が必要です。転職先の担当窓口に早めに確認しておきましょう。
iDeCoの掛金上限額の変更
転職先の企業年金制度の有無によって、iDeCoに拠出できる掛金の上限額が変わります。転職後は忘れずに掛金額の見直し手続きを行いましょう。上限を超えて拠出していた場合は還付の手続きが必要になることもあります。金融機関の窓口やコールセンターに相談すると手続きがスムーズです。
退職金を受け取った場合の税務手続き
退職金を受け取った場合、原則として「退職所得の受給に関する申告書」を前職に提出することで、適切な税額が源泉徴収されます。申告漏れがあると余分に税金を払うことになるため注意しましょう。
- ✓退職所得の受給に関する申告書を提出していれば、通常は確定申告不要(源泉徴収で完結)
- ✓申告書を提出していない場合、一律20.42%が源泉徴収されるため、確定申告で還付を受けられる場合がある
- ✓退職金には「退職所得控除」が適用され、勤続年数が長いほど控除額が大きくなる(20年超は控除額の増加率も上がる)
- ✓複数の退職金を同一年に受け取った場合は、確定申告での調整が必要になることがある
転職後の手続きタイムライン(早見表)
いつまでに何をすべきか、時系列で整理しました。全体像を把握しておくと安心して手続きを進められます。
退職前にやっておくこと
雇用保険被保険者証・年金手帳(基礎年金番号通知書)の所在確認、退職金・有給消化の確認、企業型DCの移換方法の確認を済ませておきましょう。退職後に慌てないための重要な準備期間です。人事担当者に不明点を確認しておくと安心です。
退職後14〜20日以内にやること
空白期間がある場合、国民健康保険または任意継続被保険者制度の手続き(14〜20日以内)、国民年金の加入手続き(14日以内)を行います。期限が短いため、退職後すぐに動き出すことが重要です。後回しにすると期限を過ぎてしまうため要注意です。
入社後にやること
前職の源泉徴収票の提出、企業型DC・iDeCoの移換手続き、扶養控除等申告書の提出などを行います。年末調整の時期(11〜12月)までに書類が揃っているか確認しましょう。
手続きを効率的に進めるための管理方法
複数の手続きが同時進行するため、抜け漏れを防ぐ管理方法を押さえておきましょう。少しの工夫で手続きの負担は大きく軽減できます。
- ✓退職時に受け取る書類(離職票・源泉徴収票・年金手帳等)をまとめてファイリングし、原本の紛失を防ぐ(コピーも取っておくと安心)
- ✓手続きごとの期限をカレンダーやリマインダーアプリに登録し、期限切れを防ぐ(余裕を持って前倒しで設定する)
- ✓役所・年金事務所・ハローワークへの訪問は、可能な限り同日にまとめて済ませる(移動の手間を減らせる)
- ✓会社から発行される書類が届かない場合は、退職後1ヶ月を目安に人事・総務へ問い合わせる(電話・メールで記録を残す)
- ✓手続きに必要なマイナンバー・印鑑・本人確認書類は事前にひとまとめにしておく(専用のポーチ等を用意すると管理しやすい)
転職パターン別の手続きまとめ
自分がどのパターンに当てはまるかを確認し、必要な手続きを整理しましょう。該当箇所だけ確認すれば十分です。
パターンA:退職日の翌日に入社(空白期間なし)
最もシンプルなパターンです。健康保険・厚生年金は転職先が手続きしてくれるため、自分で行う手続きはほぼありません。源泉徴収票の提出だけ忘れないようにしましょう。多くの転職者がこのパターンに当てはまります。
パターンB:数日〜1ヶ月程度の空白期間がある
国民健康保険または任意継続、国民年金の加入手続きが必要です。期限(14〜20日以内)が短いため、退職後すぐに動き出すことが重要です。転職先が決まっている場合は、入社日を市区町村の窓口で伝えれば、加入期間を正確に計算してもらえます。短期間でも手続きを怠らないようにしましょう。
パターンC:長期間の空白期間がある(数ヶ月以上)
国民健康保険・国民年金の手続きに加え、必要であれば雇用保険の失業給付の申請も検討しましょう。空白期間が年をまたぐ場合は、確定申告も必要になります。長期間になる場合は、健康保険料・国民年金保険料の減免制度(前年所得が少ない場合等)も確認しておくと負担を軽減できます。
国民健康保険料・国民年金保険料の減免制度
失業・退職による収入減少があった場合、保険料の負担を軽減できる制度が用意されています。該当する場合は忘れずに申請しましょう。
国民健康保険料の軽減制度
会社都合退職(倒産・解雇等)の場合、「非自発的失業者に対する国民健康保険料軽減制度」が適用され、保険料の算定基礎となる前年給与所得が30/100として計算されます。ハローワークで発行される雇用保険受給資格者証を市区町村の窓口に持参して申請しましょう。適用されれば保険料負担が大幅に軽減されます。
国民年金保険料の免除・猶予制度
失業により保険料の納付が困難な場合、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」を利用できます。所得に応じて全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の区分があり、失業者は特例として前年所得を除外して審査してもらえます。年金事務所または市区町村窓口で申請手続きを行いましょう。免除期間も将来の受給資格期間として算入されます。